「NASにAI機能が欲しい」——そんな声に真正面から応えたのが、MinisforumがCES 2026で発表した**「N5 MAX AI NAS」**です。
搭載チップはAMD Ryzen AI MAX+ 395(Strix Halo)。16コアCPU+Radeon 8060S GPU+NPU(50 TOPS)という最強クラスのAPUに、128GBのLPDDR5x統合メモリを組み合わせ、5ベイHDDスロット(最大150TB)+5本のNVMeスロット(最大40TB)を内蔵した、まったく新しいカテゴリの製品です。
注意
N5 MAXは2026年3月現在、まだ発売されていません。CES 2026(1月)で発表済みで、価格・発売日は未定です。予約受付も始まっていないため、購入を検討している方は公式情報を引き続きご確認ください。
N5 MAX AI NAS の全スペック
CPU・AI性能
| 項目 | スペック |
|---|---|
| チップ | AMD Ryzen AI MAX+ 395(Strix Halo) |
| CPUコア | 16コア / 32スレッド(Zen 5) |
| ブーストクロック | 最大 5.1 GHz |
| iGPU | Radeon 8060S(RDNA 3.5 / 40 CU) |
| NPU | XDNA 2(50 TOPS、総合 126 TOPS) |
| メモリ | 128 GB LPDDR5x(オンボード固定・256bit / 8000 MT/s) |
ストレージ・拡張性
| 項目 | スペック |
|---|---|
| HDDベイ | 5ベイ(3.5インチ / 2.5インチ SATA)最大150 TB |
| NVMeスロット | M.2スロット ×5(PCIe 4.0)最大40 TB |
| 合計最大容量 | 190 TB |
| 拡張スロット | 内部 PCIe x16(x4実装)×1 |
ネットワーク・ポート
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 有線LAN | 10 GbE × 1(Realtek RTL8127)+ 5 GbE × 1 |
| USB | USB4 × 2(前面1・背面1)、USB 3.2 Gen2 × 2、USB 2.0 |
| 映像出力 | HDMI 2.1 FRL |
| その他 | OCuLink、内蔵250W PSU、USB-C PD 140W補助電源 |
情報
N5 MAX の目玉のひとつが10GbE + 5GbEのデュアル高速LAN標準搭載です。従来の Synology・QNAP では 10GbE は別売り拡張カードが必要でした。
搭載OS・NAS機能
MinisCloud OS(標準)
N5 MAX には Minisforum 独自のMinisCloud OS(FNOS ベース)がプリインストールされています。
- ZFS対応(RAID Z1 / Z2 含む)
- Web ブラウザからの管理 UI
- モバイルアプリ対応
- Docker 環境・仮想マシン機能
- メディアトランスコード
- バックアップ・ファイル共有・コラボレーション機能
サードパーティ OS も導入可能
MinisCloud OS に不満がある場合でも、以下の OS を導入しても保証対象外にはならないと Minisforum は説明しています。
- TrueNAS / TrueNAS SCALE
- Unraid
- OpenMediaVault
- Proxmox VE
- 通常の Linux / Windows 11 Pro
AI機能の核心:OpenClaw プリインストール
N5 MAX 最大の特徴が、OpenClawというローカル AI フレームワークのプリインストールです。2026年3月11日に Minisforum が公式発表しました。
ヒント
OpenClaw は「世界初、ローカルコンピューティングと統合した AI NAS」として Minisforum が位置づけているオープンソースの AI フレームワークです。トークン料金ゼロ・クラウド送信なしで AI を使えます。
OpenClaw で何ができるか
① ローカル LLM 推論
128 GB の統合メモリを VRAM として活用できるため、70B 以上のパラメータを持つ大規模言語モデルをローカルで実行できます。
- Llama 3.1 70B クラス:実行可能
- 128B クラス:技術的に対象(容量上)
- 推論速度:NPU 50 TOPS + GPU 40 CU のフル活用
② セマンティック写真検索
フォルダ管理・ファイル名に関係なく、「夕焼けの海辺の写真」「家族の誕生日パーティー」など自然言語で写真を検索できます。大量の写真を NAS に保管している方には特に便利な機能です。
③ スマート動画編集
AI による自動クリッピング・スティッチング機能。4K 映像の大量管理に活用できます。
④ AI エージェント機能
メール処理・文書レビュー・コーディング支援・SNS 投稿準備・出張手配などのタスクを、すべてローカルで自動化します。データが社外に出ないため、業務利用でも安心です。
従来の NAS との違い
N5 MAX が Synology・QNAP のような従来型 NAS とどう違うかを整理します。
比較表データが設定されていません。
スペック差は一目瞭然ですが、それに見合うだけの価格差もあります。「NAS として使いたいだけ」なら Synology や QNAP の方が圧倒的にコスパが高いです。
こんな人に向いている
ヒント
N5 MAX が刺さる人
- ローカル LLM を本格活用したい: 月額不要・プライバシー保護でAIを使いたい
- 大量の写真・4K 動画を自宅サーバーで管理したい: 190TB 対応 + AI 検索の組み合わせ
- ホームラボ・自宅サーバーマニア: TrueNAS / Unraid / Proxmox を Minisforum 筐体で動かしたい
- Synology の純正 HDD 縛りに不満がある: 2025年以降、Synology は純正 HDD 以外で機能制限を強化
- 小規模ビジネス・フリーランス: ファイルサーバー + AI 自動化を 1台で完結させたい
注意
N5 MAX が向いていない人
- シンプルにバックアップしたいだけ: Synology DS220+ 等で十分、価格は10分の1以下
- 省電力・静音優先: Strix Halo の TDP は最大120W。常時稼働 NAS としては電力消費が大きい
- すぐに購入したい: 2026年3月時点で未発売・価格未定
価格の見通し
現時点で N5 MAX の価格は未発表です。N5 シリーズの他モデルを参考にすると:
| モデル | CPU | 価格(USD) |
|---|---|---|
| N5 AI NAS | Ryzen 7 255 | $599 |
| N5 AIR | Ryzen 7 255 | $849 |
| N5 Pro | Ryzen AI 9 HX PRO 370 | $1,019(日本円 20〜33万円台) |
| N5 MAX(未発売) | Ryzen AI MAX+ 395 | 未定($1,500超と予想) |
日本ではさらに割高になることが多いため、30〜50万円超の価格帯になる可能性があります。
まとめ
Minisforum N5 MAX AI NAS は「NAS とローカル AI サーバーを 1台で完結させる」という新しいアプローチの製品です。特にローカル LLM の実用化という観点では、128GB の統合メモリと 126 TOPS の AI 性能は現行最高水準で、これを NAS 形式で使えるのはこの製品だけです。
一方、まだ発売されていないこと・予想価格が高いこと・MinisCloud OS の成熟度が未知数なことも事実です。「発売されたら即購入」より、発売後のレビューや実績を見てから判断するのが賢明です。