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フィラメントは3Dプリンターの糸状の材料で、素材によって耐熱性、扱いやすさ、臭いが変わります。最初の1巻に向くのはPLAです。
PLAは収縮が小さく失敗しにくく、臭いもほぼ出ません(Elegoo公式wiki)。ただし熱には弱く、夏の車内や暖房の近くに置く物には向きません。
ヒント
素材と保管の目安
- 最初の1巻: PLA。囲いのないプリンターでも使える
- 熱に強い物を作る: PETGが一段上で、ABS、ASA、PCは囲い付きのプリンターが前提
- 保管: 吸湿すると糸引きや荒れが出るので、乾燥剤入りで保管する

フィラメントの種類と耐熱温度
下の数字は、Bambu Labの公式データシート(TDS)にある同社フィラメントの値です。熱変形温度は、荷重をかけたときにたわみ始める温度の目安です。
他社の同名素材とは数値が違うことがあるので、素材の序列の参考にしてください。
| 素材 | 熱変形温度(1.8MPa) | 向く用途 |
|---|---|---|
| PLA Basic | 54℃ | 飾り、模型、試し刷り |
| PETG Basic | 65℃ | 小物入れ、機能部品 |
| ABS | 84℃ | 試作、筐体 |
| ASA | 92℃ | 屋外に置く部品 |
| PC | 117℃ | 高強度の部品 |
| PAHT-CF | 170℃ | 高耐熱の工業用途 |
TPUは柔らかい素材で、熱変形温度は公式データシートでN/Aです。スマホケースやパッキンなど、曲がる物に使われます(Elegoo公式wiki)。
PLAでもBambu LabのPLA Silkは50℃、PLA Matteは52℃と、種類で少し違います。
初心者はPLAから始める
PLAの熱変形温度54℃前後は、真夏の車内や直射日光の窓際で超えうる温度です。PLA Basicには、ガラス転移温度60℃の記載もあります。
棚に飾る物やスマホスタンドなど、室内で使う物ならPLAで足ります。ノズル190〜230℃、ベッド35〜45℃と温度が低く、囲いのない機種でも扱えます。

PETGはPLAより熱に強く(65℃)、機能部品に向きます。ただし吸湿しやすく、糸引きが出やすい素材です(Elegoo公式wiki)。
吸湿と糸引きの対策が要るぶん、PETGはPLAで1巻使い切ってからのほうが扱いやすくなります。
ABSやASAは囲い付きのプリンターで
ABSとASAは、冷えるときの収縮が大きく、反りや層の割れが出やすい素材です。Elegoo公式wikiは、密閉できる設備が必須としています。
Bambu LabのTDSでも、ABSとASAはベッド80〜100℃、庫内の推奨温度は45〜60℃。ここまで温めるには、囲いが要ります。
| プリンターの形 | 向く素材 |
|---|---|
| 囲いなし(開放型) | PLA、PETG、TPU |
| 囲い付き | ABS、ASA、PC も可 |
Bambu Lab A1 miniの公式ページはPLA、PETG、TPU、PVAを推奨素材としています。ABSやASAを使いたいなら、P1S以上の囲い付き機種が候補です。

炭素繊維入りは硬化ノズルが要る
PLA-CFなど、炭素繊維(CF)を混ぜたフィラメントには、ノズルを削る研磨性があります。標準の真鍮ノズルでなく、硬化ノズルを使うのが基本です(Elegoo公式wikiも同じ)。
PAHT-CFはノズル温度が260〜290℃、乾燥は80℃で8〜12時間かかります。
臭いと換気は素材で変わる
臭いの強さは、Elegoo公式wikiの整理でPLA、PETG、TPU、PC、ASA、ABSの順に強くなります。ABSは刺激的なスチレン臭があり、換気と囲いが必須とされています。
家庭用3Dプリンターの排出物について、日本の公的機関の注意喚起は2026年11月4日時点の調査では見つかっていません。
海外では、ULとジョージア工科大学の研究が報じられています。多くのデスクトップ機が超微小粒子を出し、200種超の揮発性有機化合物が検出されたそうです。
研究は、換気の良い場所で使い、稼働中は離れることを勧めています。
- 寝室には置かない
- 窓を開けるか換気扇のある部屋で使う
- ABSやASAは囲いとフィルターを用意する
乾燥と保管のしかた
フィラメントは空気中の水分を吸います。水分が熱で気化すると、泡、糸引き、表面の荒れが出て、PA、PC、CF入りは特に影響が大きくなります(Bambu Lab wiki)。
保管は、元の袋に乾燥剤を入れてクリップで閉じるか、真空袋に入れます(Elegoo公式wiki)。Bambu LabのTDSは、保管湿度20%RH未満、乾燥剤入りの密封としています。
吸湿したら、フィラメント乾燥機で乾かします。Bambu LabのTDSにある乾燥条件は次のとおりです。
| 素材 | 乾燥条件(TDS) |
|---|---|
| PLA 各種 | 55℃で8時間 |
| PETG Basic | 65℃で8時間 |
| TPU 95A HF | 70℃で8時間 |
| ABS、ASA、PC | 80℃で8時間 |
Elegoo公式wikiの目安は、PLAが55±5℃で6時間、ABSが70±5℃で4〜6時間。メーカーで違うので、買ったフィラメントの箱や商品ページの数字を優先します。

買うときに見る規格
家庭用のFDMプリンターでは、線径1.75mmが一般的です。
Bambu LabのPLA BasicとPETG Basicも1.75mmで、正味1kg、スプールの直径は200mmと公式データシートにあります。
線径のばらつきは詰まりの原因になり、Bambu Lab wikiは1.75±0.03mmを目安にしています。機種の対応径とスプールの大きさも仕様で見ておきます。

下はBambu Lab日本公式ストアの通常価格表示(1kg、2026年11月4日時点)です。価格は変わることがあるため、購入時は公式ストアで確認してください。
| 素材 | リフィル / スプール付き |
|---|---|
| PLA Basic | 2,400円 / 2,900円 |
| ABS | 2,400円 / 2,900円 |
| PETG Basic | 2,200円 / 2,800円 |
| ASA | 4,680円 |
| PC | 7,280円 |

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よくある質問
最初に買うフィラメントは何がいいですか
PLAです。収縮が小さく失敗しにくく、臭いもほぼ出ないため、囲いのないプリンターでも使えます。
色にこだわらなければ、公式のPLA Basicのような標準品から始められます。
PLAで作った物は車内に置けますか
夏の車内は避けてください。Bambu LabのPLA Basicの熱変形温度は54℃(1.8MPa)で、直射日光の入る車内は変形しうる温度です。
車内や屋外に置く物はASAなど、熱に強い素材を検討します。
フィラメント乾燥機は最初から必要ですか
PLAを乾燥剤入りで保管し、すぐ使い切るなら、最初は必須ではありません。糸引きや表面の荒れが出てきたら、吸湿を疑って乾燥機を足します。
PETGやTPUを使うなら、早めに用意します。
本体やスライサーは、次の記事で扱っています。
公式リンク
- Bambu Lab 日本公式ストア PLA Basic
- Bambu Lab 日本公式ストア PETG Basic
- Bambu Lab 日本公式ストア ABS
- Bambu Lab 日本公式ストア ASA
- Bambu Lab 日本公式ストア PC
- Bambu Lab PLA Basic データシート
- Bambu Lab PETG Basic データシート
- Bambu Lab ABS データシート
- Bambu Lab ASA データシート
- Bambu Lab PC データシート
- Bambu Lab PAHT-CF データシート
- Bambu Lab wiki ノズル詰まりを防ぐ方法
- Bambu Lab A1 mini 日本公式ストア
- Elegoo wiki フィラメントガイド
