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光造形3Dプリンター入門 FDMとの違いと必要なもの

· エンディ
光造形3Dプリンター入門 FDMとの違いと必要なもの

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光造形3Dプリンターは、液体のレジンに紫外線を当てて、層ごとに固めていく方式の機械です。フィギュアやミニチュアのような細かい造形が得意です。

その代わり、出力物を洗い、紫外線で固め直す工程が必ず入ります。手袋や換気の用意も要ります。

情報

光造形の要点

  • 方式: 紹介する7機種はいずれもモノクロLCDを使う光造形(MSLA)で、405nmの紫外線でレジンを固める
  • FDMとの差: 細部は光造形、後処理の少なさと大きさはFDM。光造形は洗浄と二次硬化が必須
  • 本体のほかに: レジン、IPAまたは水洗いレジン、洗浄・二次硬化機、ニトリル手袋、保護メガネ、換気できる場所

光造形の仕組みとMSLA方式

この記事の7機種は、LCDを光のマスクに使うMSLA方式です。レジンタンクの底は透明なフィルムで、その下に波長405nmの紫外線の光源とLCDがあります。

LCDは、その層の断面の形にだけ光を通します。光が当たったレジンがその形に固まり、ビルドプレートが少し持ち上がって、次の層が重なります。

MSLA方式の光造形機の仕組み。光源、LCD、フィルム、レジン、ビルドプレートの順

細部の表現はLCDの画素の細かさに関わります。

公式の画素ピッチは、Mars 5が35µm、Photon Mono 4が17×17µm、Saturn 4 Ultra 16Kが14×19µmです。

フィルムから層を剥がす仕組みは、Saturn 4 Ultra 16KとMars 5 Ultraがチルトリリース、Photon Mono 4 UltraがACFフィルムです。

FDMとの違いは細部と後処理

FDMは糸状のフィラメントを熱で溶かして積む方式で、材料も工程も光造形とは別物です。

項目FDM光造形
材料糸状のフィラメント液体のレジン
得意なもの実用品、大きめの部品フィギュア、細部
後処理サポート除去、ヤスリ洗浄と二次硬化が必須
臭いPLAはほぼ無臭レジン臭がある
安全面ノズルとベッドの熱未硬化レジンの付着
手入れノズル詰まり、ベッド清掃液槽とフィルムの管理

FDMと光造形の材料、細かさ、後処理などの違いを並べた比較

細部の差は、FDMの標準ノズル径0.4mmと、前の節で見た画素ピッチの差に表れます。

後処理は光造形のほうが手間です。FDMはサポートを外せばほぼ使えますが、光造形は洗浄で未硬化レジンを落とし、二次硬化で固め切るまで完成しません。

光造形の工程。出力、取り外し、洗浄、二次硬化、サポート除去

大きさもFDMに分があります。7機種で最大の造形サイズは、Photon Mono M7とP1の223×126×230mmで、Mars 5は143×90×150mmです。

FDMを含めた機種選びは、特集の最初の記事で扱っています。

あわせて読みたい 3Dプリンター 初心者の選び方

用途別にFDMと光造形の向き不向きを並べた表

レジン・IPA・手袋など本体以外の道具

  • レジン(標準、ABS-like、水洗いなど)
  • IPA(イソプロピルアルコール)または水洗いレジン
  • 洗浄機と二次硬化機
  • ニトリル手袋
  • 保護メガネ
  • 換気できる置き場所
  • 紙タオルと、廃液用の容器

レジンは用途で選びます。標準レジンは飾りやフィギュア向けが基本です。ABS-likeレジンは試作や筐体向けで、標準より強靱とAnycubicの公式ページは説明しています。

水洗いレジンはElegooとAnycubicが扱っていて、洗浄にIPAを使わず水で洗えます。ただし未硬化の状態では、通常のレジンと同じく素手で触らないほうが無難です。

洗浄と二次硬化の専用機は、公式ストアにあります。ElegooはMercuryシリーズ、AnycubicはWash & Cure 3などです。

本体に付くかどうかは、機種ページの同梱品で確認してください。

スライサーはPhoton WorkshopやLychee Slicer

出力データを作るスライサーも、FDM用とは別のソフトを使います。Anycubicの機種ページはスライスソフトにPhoton Workshopを挙げています。

無料で使えるレジン用には、Lychee Slicerの無料版(Lite)があります。FDM用のBambu StudioやOrcaSlicerは、比較記事で扱っています。

あわせて読みたい 3Dプリンターのスライサー比較 Bambu StudioとOrcaSlicerほか

手袋・換気・IPAの扱い

注意

この節の注意は、光造形機メーカーFormlabsの公式サポートなど、メーカー側の案内にもとづきます。日本の公的機関による注意喚起は確認できていません。

Formlabsは、液体レジンや洗っていない出力物を扱うときは、ニトリルかネオプレン製の耐薬品手袋を使うよう案内しています。ラテックスの手袋は不可とされています。

レジンには感作性があり、繰り返し触れるとアレルギーになりうるとFormlabsは説明しています。

臭いは機種や樹脂で差があります。換気できる場所に置き、寝室は避けてください。IPAは可燃性の液体なので火気から離し、濃度や洗浄時間はレジンのメーカーの指示に従います。

光造形の安全対策。手袋、換気、火気、廃棄

Formlabsは、液状や半硬化のレジンを排水や家庭ごみに出さないよう案内しています。

未硬化レジンや洗浄液の捨て方は、レジンの SDS と自治体のルールで確認してください。

光造形3Dプリンター7機種のスペック比較

Elegoo Mars 5 Ultraの公式製品写真

画像出典:Elegoo 公式

光造形3Dプリンター7機種の比較

横にスクロールして比較できます →

Elegoo Mars 5 Elegoo Mars 5 Elegoo Mars 5 Ultra Elegoo Mars 5 Ultra Elegoo Saturn 4 Ultra 16K Elegoo Saturn 4 Ultra 16K Anycubic Photon Mono 4 Anycubic Photon Mono 4 Anycubic Photon Mono 4 Ultra Anycubic Photon Mono 4 Ultra Anycubic Photon Mono M7 Anycubic Photon Mono M7 Anycubic Photon P1 Anycubic Photon P1
発売日 2024/06 2024/06 2025/01 — 2024/10 2024/09 ◎ 2025/11
メーカー価格 (円) ◎ 28500 41500 76800 — — — —
方式 光造形 光造形 光造形 光造形 光造形 光造形 光造形
造形サイズ(mm) 143.43×89.6×150 153.36×77.76×165 211.68×118.37×220 — 153.4×87×165 223×126×230 223×126×230
造形容積 (L) 1.9 2 5.5 — 2.2 ◎ 6.5 ◎ 6.5
自動レベリング ✓ ✓ ✓ — — — —
解像度(光造形) 6.6インチ 4K モノクロLCD (4098×2560) 7インチ 9K モノクロLCD (8520×4320) 10インチ 16K モノクロLCD (15120×6230) 7インチ 10K モノクロLCD (17×17µm) 7インチ 10K モノクロLCD (17×17µm) 10.1インチ 14K モノクロLCD 10.1インチ 14K モノクロLCD (16.8×24.8µm)
本体重量 (kg) 6.6 8.8 16.1 ◎ 4 5 12 13.6
本体サイズ(mm) 230×230×433.5 260×268×451.5 327.4×329.2×548 230×235×391 231×236×430 312×315×520 366×338×539
カメラ — ✓ ✓ — — — —
接続 — USB / Wi-Fi — — Wi-Fi Wi-Fi / LAN Wi-Fi / LAN
購入

◎ は選んだ中で最も優れた値(価格は最安、発売日は最新)。併記や範囲の値には付けていません。

※ 価格・仕様は変動する場合があります。購入前に各販売ページをご確認ください。

Elegooの公式定価は、Mars 5が28,500円、Mars 5 Ultraが41,500円、Saturn 4 Ultra 16Kが76,800円です。

Anycubicの価格は公式ストアで確認してください。

光造形機の造形エリアを真上から同じ縮尺で比べた図

Mars 5とPhoton Mono 4は入門機

Mars 5は6.6インチ4Kで、自動レベリングを備えます。Photon Mono 4は7インチ10Kで、レベリングは手動の4点調整です。

Mars 5 UltraとPhoton Mono 4 Ultra

どちらも7インチで、Mars 5 Ultraは9K、Photon Mono 4 Ultraは10Kです。

Mars 5 Ultraは庫内カメラと自動レベリング、Mono 4 UltraはACFフィルムとWi-Fiが特徴です。

造形サイズは、Mars 5 Ultraが153×78×165mm、Photon Mono 4 Ultraが153×87×165mmです。

Saturn 4 Ultra 16KとPhoton Mono M7・P1は10インチ級

Saturn 4 Ultra 16Kは10インチ16Kで、加熱タンクとチルトリリース、AIカメラを備えます。

Photon Mono M7とP1は10.1インチ14Kで、造形サイズは同じです。

P1はM7より後の2025年11月発売で、加熱タンクを搭載しています。

価格帯別の候補は、特集のおすすめ記事にもあります。

あわせて読みたい 3Dプリンターのおすすめ 2026年版 価格帯別

画素ピッチの比較。Saturn 4 Ultra 16Kは14×19µm、Mars 5は35µm

この記事は公式ページの記載にもとづく比較で、実機での出力は試していません。

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Elegoo Mars 5

6.6インチ4Kで自動レベリング付きの入門機。公式の定価は28,500円です。最新の価格・在庫はAmazonで確認してください。

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Elegoo Mars 5 Ultra

7インチ9Kで、庫内カメラとWi-Fiを搭載。公式の定価は41,500円です。最新の価格・在庫はAmazonで確認してください。

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Elegoo Saturn 4 Ultra 16K

10インチ16Kで、加熱タンクとAIカメラを搭載。公式の定価は76,800円です。最新の価格・在庫はAmazonで確認してください。

よくある質問

Q

水洗いレジンならIPAは要りませんか?

A

洗浄にIPAを使わず、水で洗えるのが水洗いレジンです。ただし未硬化の状態では通常のレジンと同じく素手で触らないほうが無難で、洗浄に使った水の扱いはレジンのSDSで確認してください。

Q

洗浄機と二次硬化機は必ず必要ですか?

A

工程そのものは光造形では必ず入ります。専用機はElegooのMercuryシリーズ、AnycubicのWash & Cure 3などが公式ストアにあります。

Q

レジンが皮膚に付いたらどうしますか?

A

Formlabsは、石鹸と水で洗い流すよう案内しています。アルコールやハンドサニタイザーは使わないとされています。

公式リンク

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